笛の心,得和の音,篠笛,横笛,福原百之助

古今著聞集

古今著聞集

 

前の蔵人所の方々で

 

延章は太鼓の名手として優れた評判のある者である。

 

白河院の御時に、六条の内裏へ行幸があった時に

 

朱雀の大納言俊明が延章をしきりにほめ申し上げたので

 

はじめてお召しをうけたのである。

 

白河院の仰せで、右の太鼓を担当し申し上げた時に

 

皇仁という高麗楽で打つべき所を間違えてしまった。

 

笛は正清と元正であった。

 

元正が演奏する皇仁という高麗楽は

 

長年聞いていると延章の演奏と流儀と違った流儀で吹いていたので

 

びっくりして打つべきところを間違えてしまったのである。

 

延章は楽屋に入って、元正に不満を言ったことには

 

「長年あなたの演奏の流儀をお聞きしていると、私の流儀と同じだ。

 

それなのに今度は違った流儀の吹き方をなさって

 

私に打つべきところを間違えさせることは

 

白河院の前であるし、生きたままで首を切られるほど辛いことだ」と言ったので

 

元正が言うことには

 

「私の演奏の仕方は全然間違っていない。

 

あなたが申される通りに、私が先祖から伝えている内容は

 

まったくあなたの流儀と同じだ。

 

けれども、今日の主席の笛の演奏は正清だ。

 

それが吹くのを休んでいる間に笛を私に譲っているのだ。

 

正清と入れ替わって吹き始める時には

 

その人の流儀で吹かずにどうして他の流儀で吹くことが出来ようか。

 

太鼓の撥を担当なさるほどの人としては

 

どの演奏の流儀をも確実に承知していらっしゃるのがよいでしょう」と言った。

 

この元正の返事の言葉は穏やかで素晴らしうございました。

 

この延章の失敗は、笛の奏者の演奏の流儀を考慮せずに

 

自分勝手な考えで演奏する事がもとで起ったのである。

 

太鼓の撥を担当する時には笛の演奏とよく打ち合わせをして

 

承知しておかなければならないことである。

 

 

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